レポート

機材へのこだわり 防寒具②ハクキンカイロ

2015年1月31日

寄稿者 森 幸一
防寒具の2回目です。
ハクキンカイロ㈱の「ハクキンカイロ ピーコック」を紹介します。
ハクキンカイロは単体で使用するものではなくベンジンを燃料とします。
気化したベンジンが白金(プラチナ)の触媒作用により
徐々に酸化発熱する科学カイロです。
丸みを帯びた本体に孔雀の意匠があしらわれた空気孔が特徴の
デザインはグッドデザイン・ロングライフデザイン賞をとっています。

メーカーホームページによると一度の給油で使い捨てカイロの
13倍の熱量を発生させることが出来るとのことです。
圧倒的な熱量ですので、南極越冬隊や山岳ガイドなど寒いところの専門家
が使用するプロ使用の懐炉です。

昔はどこの家庭にもあったとういくらいのメジャーな物でしたが、
使い捨てカイロ(鉄粉の酸化発熱を利用するタイプ)の利便性に
おされて数を減らしてしまっています。
使い捨てカイロに明らかに勝っている点は、発熱量・持続時間・耐用年数・
ゴミがほとんどでない点です。
経済性は本体が3780円、ベンジンが500ccで680円、火口が729円ですので、
頻度が高くて永く使えばわずかに使い捨てカイロより勝るかもしれません。
短所もたくさんあります。給油、着火の手間がかかる、ベンジン臭い、
割安なベンジンはなかなか売っていない。(純正燃料に至っては、
店頭で販売しているのを見たことありません。)
メーカーがネット上他で純正燃料を販売しています。
カイロ用のベンジンなら純正品でなくてもよいです。
ZIPPOオイルも指定燃料です。コンビニにおいてあるくらいで、
入手も簡単ですが少し割高です。染み抜き用のベンジンは使用できません。
私は東急ハンズで社外ベンジンを購入しています。
使うためには↓のセットが必要です。

使用法
給油 専用の漏斗1杯で12時間・2杯で24時間使用できます。
    (私の経験では1杯で9時間・2杯で20時間弱です。)
    ためて      ひねったら給油できます。

着火 ライターやマッチで火口(ほくち)に点火します。
火口に直接、炎が当たらないようにする。(煤がつくと火口が痛む。)

成功(火口がほのかに紅くなる。)      

蓋をつけて専用袋にいれて、バックポケットに忍ばせておくとじんわり暖かいです。

いきなり温かくなるわけではなくて少しずつ温度を上げていきます。
着火30分後には44℃になり以降燃料がきれるまで持続します。

発熱量がすごいので低温やけどには十分に気を付けてください。
ご使用時は取扱説明書を熟読の上、ご使用ください。